研究内容 | 入江・門本研究室[東京大学情報理工学系研究科電子情報学専攻/東京大学工学部電気系学科]
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高効率汎用プロセッサ・アーキテクチャ「STRAIGHT」
プロセッサの電力効率や性能を飛躍的に向上させる新しいコンピュータアーキテクチャ「STRAIGHT」の研究を行っています.STRAIGHTは当研究室発のコンピュータアーキテクチャで,従来のRISCコンピュータとは異なり,レジスタ上書きが発生しないという独自の特徴を持つ命令セットです.この性質は,従来作れなかったような高性能コアや高効率コアを ……
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動的に近似度を自動調整する超高効率近似計算基盤
一般に,計算精度を下げれば計算負荷は下がり,その分高速化や省電力化の効果が得られます.過去の多くの研究では,計算精度はプログラマによってプログラム記述時に指示されてきました.しかし,瞬間瞬間の入力値や実行時のユーザ状態によって必要十分な計算精度は大きく変わるため,プログラム記述時に適切かつ安全に指定することは困難です.そこで,我々は実行時 ……
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形状自在計算機システム
複数の小さなチップによって構成され、形状・機能が自在に変化する計算機システムの研究をおこなっています。それぞれのチップは無線で通信し、隣接チップとの位置関係やシステム全体の形状を把握します。チップの配置や種類を変更することでシステム全体の形状や機能を変化させることができます。これまでの計算機システムは固い基板とパッケージによって構成されて ……
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タイミングに着目したプリフェッチ手法
プロセッサの性能を引き出すためには、処理するデータ・命令がキャッシュメモリ上に存在することが重要です。しかし、キャッシュメモリは高速性と引き換えに小容量であるため、データ・命令の一部しか保持することはできません。そこで、将来必要なデータ・命令を予測しキャッシュメモリに移動させる「プリフェッチ」と呼ばれる技法が広く研究されています。既存の研 ……
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IoTデバイスに対する遠隔操作型マルウェア対策
本研究では辞書攻撃に対して、OS がアプリケーションと連携して動的なIP フィルタリングをすることによって攻撃を防ぐことを目的としています。辞書攻撃を仕掛けてきたデバイスに対し、アプリケーションがOS に対して辞書攻撃を受けていることを通知することによってOS が送信元のIP アドレスをフィルタリングし攻撃を防ぎます。また、OS を介在す ……
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フォークリフト運転支援
物流の中枢をなす倉庫に必要不可欠なフォークリフトは、その運転に熟練したスキルを要し、初心者のドライバが事故を起こすことも多くなっています。そのため、この研究ではフォークリフト上に支援システムを構築することで、 初心者ドライバの運転を支援、さらには倉庫全体のスマート化を目標としています。倉庫内の状況を識別するための認識アルゴリズム、ドライバ ……
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モバイルコンピュータと触覚による視覚障害者歩行支援システム
現在視覚障害者の歩行の際には白杖や盲導犬が用いられるが独力での歩行を支援するにあたり十分な機能を有していません。モバイルコンピュータとセンシング・画像処理技術を用いてユーザーの誘導に必要な情報処理を行い、触覚を通じてユーザーへ歩行に関する情報を伝達する事で、従来より安全で快適な歩行支援システムを実現します。当時者・支援者のフィードバックを ……
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制約のない身体の動きによるインタラクティブな音楽生成システム
練習を必要としない自由な身体の動きから、音楽的な音を生成するサウンドインタラクションシステムを開発しています。身体の動きを用いた音楽表現はこれまでにも模索されてきましたが、音楽的な音を生成するためにはあらかじめ曲を作曲しておくなどの事前準備や、楽曲を正しく演奏するための演奏技術などが必要でした。本研究では単純なモチーフのループ演奏を重ねあ ……
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企業のテキストコミュニケーションを支援するインタラクティブシステム
組織における人間を支援するために、組織成立に欠かせないコミュニケーションのうち、特に文書を介するコミュニケーションに着目して支援システムを開発しています。具体的には、文書コミュニケーションにおける読み手の文書理解を補助することを目的とした、既存文書を読みやすくするための自動的な挿絵挿入や、コミュニケーションにおける精神的負荷を低減するため ……
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CANデータによる危険予測
自動運転の実現に期待がかかる一方、アクセルとブレーキの踏み間違いなどのドライバの運転ミスによる交通事故はいまだに社会問題として残っています。この研究では自動車内部のセンサデータであるCANデータや車載カメラの情報を使い、ドライバの操作ミスや車体の異常を検知することを目標としています。これはトヨタ自動車株式会社との共同研究で、オープンなデー ……
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透過型HMDにおけるフリック入力の検討
指で空中をフリックするジェスチャ入力をひらがなの入力に、AR環境では有用とされるダイヤルジェスチャを変換候補の選択に、それぞれ用いることで高速かつ正確に入力できる、AR環境における新たな入力手法を提案しています。HoloLens上に提案手法を具体的に実装したソフトウェア「AirFlickey」を開発しました。AirFlickeyの各機能の ……
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コンテナ型仮想化環境における情報フロー追跡システム
アプリケーションの脆弱性に対する攻撃を検出・阻止する手法として情報フロー追跡が研究されています。情報フロー追跡を用いたアクセス制御技術としてDIFC(Decentralized Information Flow Control)という手法が提案されており、脆弱性の検出・阻止に有効であることがわかっていますが、独自のOSを用いる必要があるな ……
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クラウドサーバを用いたワンタイムプログラム
一般的なプログラムは様々な方法でコピーしたり解析したりすることが可能であり、悪意のある攻撃者に悪用される可能性があります。こうした攻撃を困難にする手段として入力を1回に限り実行することができるプログラムであるワンタイムプログラムが提案されています。ワンタイムプログラムの機能を秘密分散技術とクラウドサーバを用いて実現する手法です。従来の手法 ……
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近年のプロセッサに適した数学関数のソフトウェア実装
浮動小数点数演算命令を備えるプロセッサであっても、指数関数や三角関数等の数学関数を正確に計算する命令は持たないことがほとんどです。そのため、プロセッサの持つ命令のみで計算するためのプログラム(ソフトウェア実装)が必要になります。このような数学関数は性能上のボトルネックとなることが多いため、できる限り高速なソフトウェア実装が求められています ……
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ラインアクセス傾向を学習・予測する先進キャッシュマネジメントの研究
キャッシュマネジメントは,プログラム実行に合わせて,自動的にプロセッサ内の高速なキャッシュメモリに必要データを格納するマイクロアーキテクチャ技術である.この技術は,即効性のある既存コンピュータ高速化・効率化技術であるとともに,メモリ階層の使い方に関する洞察を含む本質的な技術となっている.キャッシュは,アクセス局所性に基づく簡単なアルゴリズ ……
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情報セキュリティマネジメント
2000年前後より急速に整備の進むISMS規格を中心に情報セキュリティ関連の国際標準を主な情報源としつつ、他方では国内の企業実態調査を行い、情報セキュリティの基本要件・課題・方策を整理している。次に、エンタープライズアーキテクチャにおけるセキュリティの扱いについてTOGAFなどの国際標準を参照し、組織の業務とITを総合的に描写するエンター ……
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距離センサを利用したドライバ運転姿勢検知の研究
ドライバ・モニタリング・システム(DMS)とは、画像センサや生体センサを用いて運転手の状態を推定するシステムのことである。運転手の状態を推定することによって高度な運転支援を行うことができる。例えば、既存のDMSは運転手の疲労や眠気を認識し警告する。このようにDMSが広く普及すれば、交通事故の主要因であるヒューマン・エラーによる交通事故を防 ……
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帰納的なシミュレーション・ポイントの選出手法
プロセッサのシミュレーションには極めて長い時間がかかる。それには、(1)シミュレータの実行速度が遅い、(2)ベンチマークのプログラムの命令が多い、(3)チューニングやデバッグのために莫大なシミュレーションの試行回数が必要、といった 3つの要因が挙げられる。このような問題に対処するために、シミュレーション・ポイントを選定することが考えられる ……
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動的情報フロー追跡
近年、電子商取引の拡大や公的な手続きの電子化に伴い、個人のコンピュータを利用しての個人情報の取り扱いはその頻度を爆発的に増加しながらも、そこで扱われている情報は決して漏洩していいものではなくなってしまっている。 機密情報を漏洩させないための考え方として「怪しいプログラムやユーザを機密情報に触れさせない」という考え方がかつては一般的であった ……
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盲導犬ドローン
視覚障害者のみならず高齢者の増加にともない,視覚に障害を持つ人の歩行支援のニーズは増大している.その支援方法は現在,同行援護,盲導犬,白杖など様々だが,それぞれ利便性,リソース,安全性などに課題がある.本研究では,ユーザ本人の意思で気軽に利用でき,大量生産が可能で,高機能なセンシングと柔軟なコミュニケーションが可能なドローンを用いる方法を ……
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DTB
半導体プロセスの微細化に伴い、素子ごとの性能のランダムなバラつきの影響が大きくなっている。素子性能がバラつくと、歩留まりが低下するほか、従来のワースト・ケースに基づいた設計では遅延の見積もりが悲観的になりすぎる。動作時にタイミング故障を検出し回復する機構をVLSIに追加することができれば、プロセス微細化の優位点を最大限に活かした高性能・低 ……
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forensic
過去のコンピュータセキュリティにおいては、サイバー犯罪をはじめとするインシデントを未然に防ぐこと、またそれらから迅速にシステムやサービスを復旧することを目標に様々な手法や製品の研究開発が進められてきた。しかし、クラッカーコミュニティの活性化している昨今においては未知の脆弱性を突くような攻撃(ゼロデイアタック)は増加の一途を辿っており、イン ……
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Improve area effesiency
プログラムには並列化不能な部分が不可避的に含まれる。アムダールの法則が示唆するように、メニーコアの時代においても、そのような逐次部分を実行するシングル・コアの性能は重要であり続ける。最近のスーパスカラ・プロセッサ・コアにおいては、消費エネルギーとその結果として生ずる熱がクロック速度を制約しており、効率、すなわち、回路面積あたり、消費電力あ ……
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SharkCage: VM secure processor
近年、クラウド上の仮想マシン(VM)の普及に伴い、多くの企業が自社のサービスを外部のクラウドプラットフォームを用いて展開する事例が増加している。クラウドプラットフォームの利用は自社でサーバ筐体を保有する場合に比べ、導入コストやスケーリングの容易さなど様々な面で優れているが、クラウドの管理者がその権限を悪用し顧客のVM内の情報を盗む危険性が ……
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Virtual Machine Introspection (VMI)
現在普及しているアンチウイルスソフトウェアの多くは、ユーザアプリケーションとして実行されています。 そのため、セキュリティソフトよりも強いレベルで動作するカーネルルートキットなどの検出が困難であったり、 システムに感染したマルウェアによって、監視を無効化される危険があります。 Virtual Machine Introspection(V ……
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CPU性能を向上させる高効率キャッシュアルゴリズム
プロセッサの性能向上のためには、プログラムによる外部メモリへのアクセス要求を、どれだけ内部のキャッシュ・メモリとのデータ授受で完結できるかが重要となる。近年ではキャッシュ・メモリ容量は増大し、一部のプログラムでは殆どのワーキングセットをオンチップに収納できるようになった一方で、依然として解消しにくい種類のキャッシュ・ミスが実行性能低下を引 ……
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三次元プロセッサコア
半導体製造技術の進歩により、近年では積み重なった半導体チップ間で、垂直方向に直接配線することが可能となってきた。プロセッサVLSIの三次元化は、従来の二次元構造に比べて微細化のコスト的な限界を越えてパッケージ容量を増加させるだけでなく、信号転送電力を減らし、実行効率を本質的に向上させる効果が期待されている。 しかし、三次元プロセッサの設計 ……
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GOOD WALK
良い歩行は健康の基本と言われています.歩数の量だけでなく,正しい姿勢であるくことが重要とされていますが,従来,歩行解析は多くのセンサーと専門家による解析を必要とするものでした.本研究では日常的に正しい歩きを意識することが重要と考え,常に持ち歩くスマートフォンのセンサを用いて,歩行の乱れをリアルタイムに警告するスマートフォンアプリケーション ……
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直観的な指示による機器連携手法の研究
コンピュータの小型化によりあらゆるものが計算力を持つことが可能となり、データの同期や画面出力、情報取得など、個人が複数の情報機器を柔軟に連携させて使用することが日常的となってきた。しかし通常、機器は論理名で管理されているため、目の前にある機器がネットワーク上のどの機器なのか見分けることは時に難しい。 この煩雑さを解決し、大量の情報機器 ……
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AirTarget: 光学透過型HMDのための直観的操作UI
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は両手を拘束せず、常に視界内の安定した位置への表示ができることから、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)における代表的なデバイスとなっている。また、同様に、両手を拘束せず、ユーザの頭部に連動して指向することから、ユーザの意図を察するセンサプラットフォームとしても適している。HMDは大別すると、ユーザの自然 ……
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盲導犬ドローンの研究
視覚障害者のみならず高齢者の増加にともない、視覚に障害を持つ人の歩行支援のニーズは増大している。その支援方法は現在、同行援護、盲導犬、白杖など様々だが、それぞれ利便性、リソース、安全性などに課題がある。本研究では、ユーザ本人の意思で気軽に利用でき、大量生産が可能で、高機能なセンシングと柔軟なコミュニケーションが可能なドローンを用いる方法 ……
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心拍モニタリングによる作業支援
情報機器の小型化により,心拍変動の日常的な取得が可能となっています.心拍変動は,周波数解析することによって自律神経のバランスを知ることができる指標です.本研究では心拍変動をリアルタイム解析してユーザのコンピューティング環境にフィードバックするシステムを研究しています.フィードバックのアプローチとして,その時のユーザの状態にあわせてデスクト ……
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姿勢理解と音声生成による運動支援の研究
現在、運動不足を感じている人が多い。運動不足解消のため運動する場合、適切な運動がされていないと効果がなかったりケガをする可能性があったりするため適切な指導者と運動を行うことが望ましい。しかし、このような環境を用意することは容易ではないため、手軽に正しい運動を行うことができる運動支援システムが必要となる。 一般的な運動支援システムのフィー ……
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スマートフォンにおけるウェブプリフェッチングの省電力効果
電波状況の安定しないスマートフォンのwebブラウザでは,ユーザが近い将来に閲覧するURLを予測して,リクエスト前にデータ取得を行う,クライアントサイドプリフェッチが有効と考えられています.しかし,プリフェッチは予測ミスによる無駄な転送も発生させるため,電力消費のペナルティが課題となります.従来研究では通信量の増加を電力増として見積もってい ……